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西太后―大清帝国最後の光芒 [本]


西太后―大清帝国最後の光芒 (中公新書)

西太后―大清帝国最後の光芒 (中公新書)

  • 作者: 加藤 徹
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2005/09
  • メディア: 新書

実家で子守をしながら、その合間に読んでいたのがこれ。
レポートで光緒帝をとりあげた学生さんがいたのと、NHKの「蒼穹の昴」を見ていて実際の人物像に興味が湧いたので読んでみました。

結果から言うと面白かったです。
この時代については専門ではないので、内容の当否についてはあまり自信をもって断言できないのですが、腑に落ちる説明が多かったように思います。

例えば、西太后が贅沢をしたことはよく知られていますが、これについてp.200「甘い汁の循環」ではこのように書かれています。
皇帝が、大婚や大寿などの国家的祝賀行事や、宮殿の造営など土木産業を興すたびに、大臣、官僚、下級役人、業者、現場監督、労働者などが、順番に「おこぼれ」の分配にあずかる。この甘い汁の循環を絶やさぬかぎり、その王朝の命脈は保たれるのであった。 / 西太后の贅沢は、彼女一個人の私利私欲というだけではなかった。悪くいえば国を挙げての「たかりの構造」、よくいえば「所得の再分配」という意味合いもあったのである(中略)清朝の延命という見地から見れば、それなりに有効な政策だったのである。

私にとっては、彼女はただの贅沢好きで贅沢をしていたという説明よりも(まあ、そういう面もあったでしょうが)、納得できるような気がしました。

それから各項目で俗説も紹介し(「イエホナラの呪い」とか「南方出生説」とか)、反証を挙げている点もよかったです。

ただし、これ、5年前の本なのですが、「西太后は、今がちょうど旬である」(p.5)と作者もいうとおり、今、研究がさかんにおこなわれていて、定説が変わっていくかもしれない点は考慮して読んだ方がいいかもしれません。

例えば、光緒帝の死因については「暗殺ではなく自然死だった、というのが現在の定説となっている」(p.265)とありますが、その後、いろいろと調査がされていて、定説が覆るかもしれない状況のようです。

以下、レコードチャイナ
最新科学で100年の謎を解明!清朝11代皇帝光緒帝の死因はヒ素による毒殺か?―香港誌
犯人は西太后か?光緒帝の突然死、ヒ素中毒と確定―中国
<続報>光緒帝のヒ素中毒死断定、歴史教科書には記載せず―中国

まあ、政治が絡むと「科学的調査」もあてにならなくなることがあるので(毒ギョーザの時も、「実験結果」から中国国内での毒物混入の可能性は少ないと発表したんじゃなかったでしたっけ?)、定説が覆らない可能性もありますけどね。

コメント(1) 

コメント 1

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本のソムリエ

私も西太后を知りたくて読みました。

歴史の本なのに、珍しく楽しく読めました。

やはり最近は、中国が拡大政策をとっているので、反日愛国の中国が怖いというのもあるかもしれません。
by 本のソムリエ (2011-07-10 08:22)