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『SOSの猿』-中野先生-『SARU』 [ぼくらの孫悟空]

伊坂幸太郎さんの『SOSの猿』は、孫悟空が大きな役割を果たす作品で、悟空の他にも二郎真君、蠍の妖怪、牛魔王、お釈迦様の掌の話など、『西遊記』のいろいろなキャラやエピソードが使用されています。
SOSの猿 (中公文庫)

SOSの猿 (中公文庫)

  • 作者: 伊坂 幸太郎
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2012/11/22
  • メディア: 文庫

この小説には、上記のエピソードの他、『西遊記』第36~40回にあたる、烏鶏国の話も使われています。が、烏鶏国の話、どちらかというとマイナーな話で、児童書における採用率は、原作で直前に位置する「金角・銀角」よりもずっと低くなっています(サイト「子どものための西遊記」で、2013年5月14日までに調査した181冊中、金角・銀角の話が92冊で取り上げられているのに対し、烏鶏国の話を取り上げている本は20冊)。だから作中で「『西遊記』の烏鶏国の巻を読んだことがないものに説明すれば、こういう話だ」云々と、あらすじを説明しなければいけなかったのでしょう。

実際、参考文献として挙がっている児童書、渡辺仙州さん編訳の『西遊記』上・中・下(偕成社、2001年)には、烏鶏国の話は出てこないようです。ですので、伊坂さんが烏鶏国に関する部分を書いた時には、大人向けの翻訳、これも参考文献に挙がっている中野美代子先生訳の『西遊記』全十冊(岩波文庫)を参考にしたのではないかと思われます。伊坂さんはこの作品と対になるコミック『SARU』の作者、五十嵐大介さんとの対談の中で、「『西遊記』は子供向けしか知らなかった。それで岩波文庫版を買って読んだら面白くて」と、いっていますが、その「面白かった」話が烏鶏国だったのかも。
西遊記(10冊セット) (岩波文庫)

西遊記(10冊セット) (岩波文庫)

  • 作者: 呉承恩
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2005/07
  • メディア: 文庫



「対になる」五十嵐大介さんのコミック『SARU』の方は、西遊記のプロットや小道具をふんだんに使っているというよりも、孫悟空という存在や、その術である「身外身」(毛を吹いて分身する術)が持つ、社会的・思想的な意味を、核の一つ(もう一つの核は「悪魔祓い」)にしているような作品でした。「社会的・思想的な意味」の内容に関しては、上記の対談に以下のような箇所があり、こちらも中野先生(ただしこちらは翻訳よりも解説書の方)の影響を受けているようです。
NHK教育の「人間大学」という番組で、中国文学者で作家の中野美代子さんが『西遊記』をテーマに講義をやったんですね。そのテキスト『孫悟空との対話』(日本放送出版協会)を読んだら、『西遊記』の成立の過程とか、陰陽道による読み解き方とか、キャラクターの関係性とかがすごく面白かった。

なお、この『SOSの猿』と『SARU』という二つの作品、「対となる」というだけあって、片方だけ読んだだけだと、多分「なんのこっちゃ」となりそうな箇所がいろいろあります。やはり両方読んだ方がずっと解りやすいし、楽しめるような仕掛けになっているようです。
SARU 上 (IKKI COMIX)

SARU 上 (IKKI COMIX)

  • 作者: 五十嵐 大介
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2010/02/25
  • メディア: コミック

SARU 下 (IKKI COMIX)

SARU 下 (IKKI COMIX)

  • 作者: 五十嵐 大介
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2010/10/29
  • メディア: コミック



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メロディアス・ライブラリー [ぼくらの孫悟空]

角川書店のPR誌『本の旅人』2013年2月号に、作家の小川洋子さんの「秘密の友情」という文章が載っていて、その中で「 パナソニック・メロディアス・ライブラリー 」という番組のお話を書かれています。

ラジオ番組で毎週一冊、本の紹介をするようになって五年ほどが経つ。未来に残したい文学遺産、というキャッチフレーズのもと、教科書に載っている名作から最新のベストセラーまで、児童文学、詩集、戯曲、古典、ノンフィクション、あらゆるジャンルの本を取り上げてきた。 / 毎回収録の前、次の月に扱う本を四、五人のスタッフと一緒に話し合って決めるのだが、実はその時間が一番面白い。例えば、とても有名なお話なのに記憶しているストーリーが一人一人皆違っていたり(例えば西遊記)…(中略)…、といった具合で、思いがけない発見がある。


小川さんのおっしゃっているとおり、『西遊記』って、人によって憶えている話が異なることがよくあります。それというのも、多くの人が『西遊記』を全訳ではなく児童書で読んでいると思うのですが、児童書の殆どは全話採用などしておらず、本によって採用する話が異なるからなのではないかと考えられます。

そこで、どの児童書西遊記がどのエピソードを採用しているのか知りたいあなた、当ブログの筆者が鋭意更新中(本当か?)のサイト、「 子どものための西遊記 」を見ていただければそれがわかりますよ(宣伝(笑))。自分が子どもの時に読んだ本に、どの話があって、どの話が無かったかを知りたい方もどうぞ。

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日本テレビ系ドラマ『西遊記』のDVD [ぼくらの孫悟空]

27日、堺正章が孫悟空をやったTVドラマ版 「 西遊記 」 がDVDで発売されたようです。
小中学生の頃、夕方の再放送の時間帯によく見ていたヤツだ。懐かしい。

http://www.vap.co.jp/saiyuki/index.html


追記(2013-04-22):
リンクしていたページが削除されたようなので、リンクしなおします。
西遊記 DVD-BOX 1

西遊記 DVD-BOX 1

  • 出版社/メーカー: バップ
  • メディア: DVD

西遊記 DVD-BOX II

西遊記 DVD-BOX II

  • 出版社/メーカー: バップ
  • メディア: DVD

西遊記II DVD-BOX I

西遊記II DVD-BOX I

  • 出版社/メーカー: バップ
  • メディア: DVD

西遊記II DVD-BOX II

西遊記II DVD-BOX II

  • 出版社/メーカー: バップ
  • メディア: DVD


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